冬の目立つ星 冬は目立つ星(一等星)ばかり。秋が一つだったの対して、7個(+1個=地平線すれすれでほとんど見えない長寿星:カノープス)が、ほぼ同じ方角に集まっていて一年で一番にぎやかな星空だ。その中でも一番目立つ星は、全天一明るい恒星のシリウス(天狼星)。北風に吹かれてギラギラと輝いている。オリオン座の三ツ星も非常に目立つ。星座をよく知らない人でもこの星だけは見つけられるはず。三ツ星を足がかりに回りの星を探していこう。 |
右上にあるのがオリオン座(写真は斜めに横たわった昇るときの姿ですね。南中するとまっすぐに立ち、沈む時も横向きで沈んでいきます)。上の図や解説を参考に冬の大三角を結んでください。 左側の二つ並んだ星がふたご星(ふたご座)で、上が兄のカストル、下の赤っぽいのが弟のポルックスです。見た目は同じ明るさですが、弟が1等星で兄は2等星です。 オリオンの三ツ星の下に、小さな三ツ星が並んでいるのがわかるでしょうか? 小三ツ星と呼ばれる星の列の真ん中の星は、実は星でなく星雲(オリオン座の大星雲)。肉眼で見えるくらい明るい星雲ですので、双眼鏡や望遠鏡をお持ちならぜひレンズを向けてみてください。光害少ない空なら、双眼鏡で桜貝のような姿が、望遠鏡なら鳥が羽ばたくような姿がです。トラペジュウム(4重星)にも注目してください。大口径になるとほんのり色を感じガスが入り乱れた様子が素晴らしく、寒さに負けずにぜひ天文台で見てもらいたい星雲の一つです。 |
星の出。 太陽や月の出はなかなか感動的です。じゃあ星の出はどうでしょう? あまり聞きませんね。夜が明けたり、月の光が射すような多きな変化もなく、一瞬で終わってしまいます。それに湿潤な日本の気候では、低い星は全然目立ちません。ところが(太平洋側では)冬の澄み渡った空なら、星の出も意外と感動的です。もちろん普通の星では出たな程度ですが、全天一の輝星シリウスだと、星からの光が矢の様に目に飛び込んできます。ある日私は、夜の滝にいました。シリウスが出たとたん、暗い谷間に光が降りそそぐような光景にとても感動しました。 星座の場合はどうでしょう? こちらはゆっくり昇ってきますから、●●座が上がり始めたな程度ですが、星座の王者と言われるオリオン座はちょっと違います。なにせ二つの一等星に5個の2等星、真東から一直線にのぼる三ツ星と昇る姿も、実に堂々としています。オリオンが昇ってだけで、急に夜空の星数が増えたような気がするのは錯覚ではないでしょう。 普段は注目されることはない星の出ですが、星座早見を片手に星の出を待ってみるのも、大気の澄んだこの季節ならではの風流かもしれませんよ。(20時の場合、オリオンの出が11月中旬頃。シリウスは12月初旬頃。もう少し正確には、WEB星座早見のお星様とコンピュータ を参照ください) |
すばると釣鐘星 写真上の星がむ”すば”ったところが、すばる(プレアデス星団)。下のV字型の星の列がつりがね星(ヒアデス星団と赤い一等星アルデバラン)。 冬の星空で注目したい天体は、オリオン座の大星雲とすばる(蛇足ですがギリシャ神話ではオリオンにすばる=プレアデス姉妹が追いかけられているのだとか)暗い星の集まりだけど星団自体の明るさは1.2等と明るくボーっと目立ちます。すばるの名は歌や車でも同じみですね。肉眼でも星団らしい姿で6〜7個見え、記録は25個だとか!? 双眼鏡で見る姿が一番美くしい。望遠鏡では視野からはみ出てしまいます。 ヒアデス星団は双眼鏡でもはみ出すくらいの大型の星団で視野いっぱいにV字の星の群れが瞬きます。偶然同じ方向の1等星がアルデバランが花を添える贅沢な星団です。 |