望遠鏡で見る★天体ミニガイド

星雲★星団

星空は肉眼だけでも堪能できます。でも個々の天体の詳細となると望遠鏡が必要になってきます。鹿角平天文台で観望する天体の種類のミニガイドです。

各天体の個別のガイドこちらから。

高倍率で見る二重星や球状星団などはシーイング(大気の揺らぎ)の影響を大きく受けます。
シーイングが悪いと星が分解せず星雲状にしか見えません。星雲も細部がみづらくなります。
また淡い光芒の、星雲や銀河は、空がガスっぽかったり月明かりがあると淡い部分が見えなくなってしまいます。
好条件で見るために、何度か足をはこんでもらえれば幸いです(何度か見てると、細かい部分も見える、星を見慣れた目になります)。
淡い光を蓄積できる天体写真と実際に見た星雲・星団の姿は
大きく違います。

もっと詳しく知りたくなったら、★なリンク★な本を参考に、インターネットや本で調べてみてください。

星雲・星団にはニックネームのほか、星雲・星団を整理するカタログの番号がついています。その代表がM(メシエ)やNGCです。


星団

星の集まりが星団。ぱらぱらと集まっているのが散開星団。星が球形に集まっているのが球状星団。

散開星団

星数が数十個から数百まで様々。肉眼で見える大型のものからあり、様々な口径の双眼鏡・望遠鏡で楽しめる。

大型のものは天文台の主鏡では、はみだしてしまったり、まばらにしかみえないので、広い視野がえられる副鏡や双眼鏡で見る場合も多い。大きい望遠鏡で見ないんですかといわれますが(笑) 適視野で見た星団は、金砂銀砂をまぶした様な美しさだ。星団の違いを見比べられるペアや子持ちの星団は更に興味深い。

球状星団

散開星団と区別がつかない様なまばらなものから数十万個の星の大集団まで様々。散開星団との違いは、比較的若く、おおむね天の川に沿っているのが散開星団。老年の星の集まりで、銀河中心の回りにボールのように分布するのが球状星団だ。

代表的な球状星団は、主鏡で星に分解して見えるので、密集した星が明減する様は息をのむほど素晴らしい。球状星団を巡りをすると、どれも同じに見えるらしく不評(爆) 星の密集度やスターチェーンが美しいものなど違いを楽しんで欲しい。


星雲

散光星雲

発光星雲(星雲内の星の影響で、星間ガスが自ら光りだしたもの)と反射星雲(星の光を反射しているもの)がある。その手前に星間ガスがあると、シルエットとなって見える暗黒星雲になる。形も様々で、その姿を見立てて○○星雲と呼ばれたりする。

明るいものは肉眼でも見え、望遠鏡では複雑な形やガスが入り乱れている様子が興味深い。淡い光芒の為、見つめる先をづらし(そらし目)で見るのがコツ。普段はあまり混雑する天文台ではないので(爆) 見えてくるまでじっくりとボーっと眺めてください。空の状態(月明かりなど)で見え方が大きく変わる。

惑星状星雲

円盤状で惑星に似た姿なのでそう呼ばれるが、不規則なものも多い。星の終焉を迎える姿や残骸が惑星状星雲だ。散光星雲より面光度が高く、、倍率を上げ(視直径が小さいものが多い為)てもよく見える。また空の状態が悪くても意外と見える。

代表的なこと座のリング星雲は、夏の観望会にかかせない存在だが。天頂付近に見えるため、のぞく位置が高く、脚立に載っても届かない人も・・・。

銀河

見てくれは星雲と変わらないようだが、銀河系の外にある銀河系と同等の星の大集団。

系外星雲と呼ばれていたが、現在は銀河と呼ばれる。それに伴い紛らわしい、天の川の漢名の銀河は使われなくなり、銀河系を天の川銀河と呼ぶこともある。

楕円形、渦巻き、棒渦巻き、不規則が基本形で、これらを正面から、斜めから、横からなどで見た多様な形がある。代表的なものは、天体写真を彷彿させる姿を見せてくれるが、光のシミ程度にしか見えないものも多い。光のシミとはいえ、おとめ座など銀河の花畑では同視野にいくつもの銀河が見えゾクッとする。銀河は非常に遠い天体だ。遠いということはそれだけ過去の光を見ていることになる。光のシミに宇宙の深遠を感じてほしい。淡く暗いので見つめる先をづらし(そらし目)で見るのがコツ。空の状態(月明かりなど)で見え方が大きく変わる。主鏡を使ったCCD観望会(望遠鏡が覗けなくなるのでめったにおこないません)で、モニターに写しだされた姿にはのけぞり返った(このページの写真がそうです)。電子の目が欲しいと思うこのごろ(笑)


二重星

二重星

二重星は、見かけ上のものと実際に連星のものの2種類。様々な色の主星・伴星の組み合わせや並び具合のものがある。中には3重や4重のものも。肉眼で見える代表が北斗七星のミザールとアルコル。色が見える数少ない天体の一つ(写真では色鮮やかな星雲も肉眼では色が見えることは稀)で、寄り添って輝く姿は、まさに天上の宝石。その色合いを楽しんでください。天文台では星雲がみづらい月明りのある日には、見る二重星が増えたりします(笑)


   
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