旅した望遠鏡

  ミニボーグ50編

ツーリングに持っていける4センチ程度の望遠鏡があれば・・・。そんなアストロライダーの一言から生まれたのがミニボーグだ(嘘みたいですが。詳しくはこちらの下に誕生秘話が)。ミニボーグだけでは星は見えない。接眼レンズ(アイピース)などのパーツが必要(セットで購入すれば一通り揃っている)で、カメラ三脚も必要だ(私の場合ソロツーリングばかりなので三脚はどちらにしろ必要だけど)。ツーリング用にちょっと工夫した組み合わせを簡単に説明しておきます。

ミニボーグ・ツーリングバージョン

M42ヘリコイド(中に延長筒とエクステンダー)。接眼レンズ。天頂プリズム。微動雲台。パッキング用に百円ショップで買ってきたA4のクッションバックとタッパ。天プリにはウレタンパットを張ってある。接眼レンズはボーグのSWK22とWO13.5mm プラ製で軽く値段も安くよく見える、バイクの振動で時々レンズが外れるが直すのも簡単。これにエクステンダーのプラ(バローレンズ)を加えれば中〜高倍率も得られる。高倍率になると微動装置がやはり必要でビクセンの微動ユニット(製造中止品)を使用。ついでに天頂プリズムはビクセンのアウトレットで購入。なお微動と天プリは、ツーリング先の星空に中〜高倍率が必要な天体がある場合のみ携帯している。三脚は量販店で2〜3千円のもの。中倍率以上になるとつらいが、三脚を荷台に積んでオフロードを走ったら、落としたり、どこかにぶつけて曲がったりした事があるから(爆) なお三脚だけでの導入は、パン棒である程度まで導入したら、脚自体を動かす(脚を回す・伸縮させるなど)方がセンターに入れやすい。

筒を回しながら前後に動かす摺動で十分なのだが、M42ヘリコイドをつけている。理由はこれにTマウントで望遠レンズになること。M57/60延長筒を省いた為だ。無限遠で合焦させるにはM57/60延長筒Lが必要だがプラ延長筒を代わりに使っている。プラ延長筒2個とエクステンダー・プラ(製造中止品)を鏡筒内にいれて、持ち運び時のダウンサイズ化をはかっている。鏡筒内絞りがあるのでレンズに触らないし、プラなので筒内で動いても傷がつかない。
更にダウンサイズ化するなら、フードをボール紙で作って伸縮式にしてもいい(純正に比べ約3cm短縮。紙製の方が夜露を吸ってくれる利点も!?)。注意するのは、フード内側は黒画用紙(または植毛紙)にすること。黒く塗りつぶしてもいいけど、白い鏡筒が汚れる。写真のフードは自作レンズヤマノンと兼用で外側も黒。黒画用紙を鏡筒(はみ出した糊をふき取るようなので、必ずレンズは外す事)を芯にきつめに巻いて(縁止めは両面テープ)糊付け、その上によくしごいたボール紙を隙間のないように2重3重に巻いていく(1巻き程度では強度不足)。少し薄めた木工ボンドで接着(少しゆるい方が修正しやすい)し、端をセロテープで止めて2〜3日乾燥。外側に黒テープを張って作ったもの。
頭上付近の星を見るとき役に立つのが、天頂プリズム。接眼部を90度曲げられる。ただし左右反対の鏡像になる。天体望遠鏡は上下反対に見えるに加えて鏡像(視野内の方角が分かりにくく嫌いな人が多い)。利点は天頂付近が見やすい。垂直に立てて見れば正立鏡像だが地上望遠鏡になる。延長筒を省ける。個人的にはツーリングでは、天頂付近に高倍率をようする天体があるような場合にしか持って行かない。首が痛くなるけどできるだけ荷物を減らしたいのと、ミニボーグの場合は低倍率(22ミリとの組み合わせで11倍)だと双眼鏡と同じように扱える。つまり天頂付近を見るときは、寝転んで三脚を抱いて見ればいいからだ。ミニボーグのみでなく三脚をつけたままがミソ(意外とブレない!?)。
交換レンズもできるだけ減らしたい。特にソロツーリングではほとんど使わない望遠のレンズの代わりになるからM42ヘリコイドをつけているが、どのくらい実用になるかといえばそれなり。色収差もでるし周辺は流れる。35mmサイズだと両サイドはまったく使えない。白い被写体に背景が暗いと青ニジミがかなり目立つ。それを知っていればかなり使える。つまり日の丸構図で、サイドにピントがいらない場合などだ。青ニジミが目立たないような撮り方や逆に目だ立たせて撮るのもありだ。器材の性能を知っていればそれ相応の撮り方で対応できるのだ。

 

ミニボーグ50+35mm一眼で撮影。撮り方によっては難を隠せるでしょう? 76プラ・アクロで撮影。金属筒よりシャッターショック吸収に優れた筒だったが・・。

 

 
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