鹿角平天文台通信

星 に 一 徹

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「天文台に行こう」

肉眼で星空を楽しむのもいいが、宇宙の深遠にも触れてみたい。そんな夢を充たし宇宙をより身近にしてくれるのが、全国各地の公共天文台だ。
ツ−リング先の近くにもきっとあるはずだから、これらを利用して幾億光年を旅した光に会いに行こう(天文台以外でも。望遠鏡・大双眼鏡のあるなど星をうりにしている宿・キャンプ場もいい。(それらは一般の民宿やホテルと違い、夜間の外出制限が少なく遅くまで入浴できたり、星見をする場所・天体観測室を備え、操作もベテランの担当の方がいて、星や月を天体望遠鏡に導き入れて見せてくれるはずだからだ。天文台の場所は星ナビHPのPAOナビや天文誌・旅ガイドなで調べてね。公開日の確認も忘れずに)。 

 ところでみなさんは、望遠鏡で星を見たことがあるだろうか、上手な覗き方があるから憶えておこう。まず説明を良く聞き、ド−ム内の暗さに目を慣らすこと。望遠鏡は慣れないうちなどは片目でいいけど、できたら両目を開け、目の片方は手で覆ってもう片方で覗いたほうが見やすい(ドーム内の照明が目に入るような場合は、のぞいてる目の方も手で帽子のツバのようにして、脇からの光を遮光しよう)。なおのぞく目はウインクしやすいほうの目。つまり利目。利目の簡単な判別法としては、右手人差し指を立てて真っすぐ腕を伸ばし顔の正面に置き、片目をつむって左右交互に見る。その時、両目で見たときと同じ位置に見えるのが利き目で、左右いずれかにずれて見えるのが利き目でない方である。のぞく時は頭がぐらつかないスタンスをとり(たとえば鹿角平天文台の場合だと、架台や筒に軽く触ったり脚立に片腕をついて見るなど)できるだけ楽な姿勢で見る。
ボ−ッとした星雲は視線をづらして見る(そらし目など)と暗く淡い部分が見えてくる。ピントを個人別に合わせて繰れる事は少ないので、眼鏡の人は掛けたままで。ピンボケ(星が点に見えない・ワッカに見える)の場合は解説員に聞いてピントの調整方法を教えてもらおう。

 天文台の外で星空観望会をしていたら参加してみよう。星の名前を知ることができるだろう。また小型の望遠鏡・双眼鏡などで観望をしている場合は、天文台が混雑していてもゆっくり見ることができ、天体によっては大望遠鏡より奇麗に見える。そして帰る前にもう一度、天文台に行こう。公開時間内でも見え方や見る天体が違う場合があるのと、そうやって望遠鏡を何度か覗いているうちに星を見慣れた目になるからだ。ガッカリするかも知れないが、大望遠鏡でも天体写真の様には見えない。だけど遥かな宇宙を旅して今、私達と出会った光だ。その光茫に宇宙の深さと愛しさを感じてほしい。
 それと解説員に、質問や感想でもいいから声をかけてみよう。言葉を交わさなければ何も始まらない。うっとうしいと思う人もいるけど、星に興味を持ったり感激しているのが分かれば、解説員も嬉しいから予定外の星まで見せてくれるかも知れないよ!? (私の場合ですが混雑時は流れ作業になってしまい対応に余裕がありません・・・。でも少し時間をずらすと意外なくらい空いていたりします。なのでよその天文台に行った時は、そんな時をみはからって、素晴らしいと褒めちぎってから見たい天体をリクエストしたりしています(^^; )

 天文台の宇宙パックツア−を楽しんだら、肉眼で星空ツ−リングに出かけよう。旅のおともに双眼鏡を持っていけば、より楽しくなる。星巡りの目当ては北極星。今も昔も旅人を導いてくれる星だ。北極星は磁石で北を確かめて、中空よりやや下の方に一つだけ輝いている星がそうだ。星は北極星をほぼ中心に動いているから、常にほぼ真北で、緯度と同じ高さにある。初夏の宵、頭上には北斗七星(深夜には北西の空)。北斗のマスの星を結んで伸ばせば北極星、反対側に今は空低くカシオペア。どちらも北極星を指し示す。
 星の旅にも地図やガイド本がある。星座速見盤(南の星座の変形がひどい。改良型あり)や星座などの本と星図がそれだ。星図等と実際の星空のスケールの差を掴んでおきたい。例えば北極星の高さと北斗の大きさや北極星からの間隔は同じ位だ。一つでも目安の星列があれば星巡りが楽。これらを手がかりに北極星から星の旅を始めよう。

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